プロフェッショナルケア2
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表1-5 エナメル質表層下脱灰の再石灰化に関連する臨床用途と掲載症例。18図1-15 ナノ粒子ハイドロキシアパタイトの作用とナノケアの主な目的から分類した6つのカテゴリー。DefectRemineralizationエナメル質形成不全の再石灰化Bacterial Adsorption病原性細菌の吸着除去Enamel Anti-Agingエナメル年齢の維持・回復ナノケアの名称サブサーフェスリミネラリゼーション(初期脱灰病変の再石灰化)サブサーフェスプレケア(ハイリスク歯面の事前予防処置)エナメル質表層下脱灰の再石灰化エナメル質表面の改質・修復酸蝕・象牙質知覚過敏抑制SubsurfaceRemineralizationSurface Enamel RestorationAgainst Erosion & Sensitivity臨床用途萌出期の白濁初期う蝕の白濁ブラケット周囲の白濁ブラケット装着前の歯面改質関連症例CASE01CASE02CASE0304CASEページ42〜4950〜5758〜6263〜68 ナノケアは明確な目的をもって行うべきものである。本書では、ナノケアの主な目的を図1-15に示す6つのカテゴリーに分類している。そのため、基本手技が共通するものであっても、その目的に応じてナノケアの名称も具nano-CARE by nano-HAP高濃度である場合には歯面最表層の耐酸性は向上すると考えられるが、その反面、最表層の再石灰化を促進するスピードが速すぎるとミネラル成分の表層下深部への浸透を阻害してしまう可能性があり、結果としてエナメル質表層下に初期う蝕や白斑として残留してしまう現象を経験することがある。 それに対し、nano-HAPは、脱灰体的な対象と期待する効果に合わせた呼称としている。したエナメル小柱間隙に浸透できる超微粒子のナノサイズであり、同時にカルシウムイオンとリン酸イオンを補給する機序によってエナメル質を修復する機能を有している。よって、経時的に深部のミネラル欠損部分へもミネラルの補給が続くと考えられる。 具体的には、表1-5のような臨床用途において有効である。(1)エナメル質表層下脱灰の再石灰化(Subsurface Remineralization) 「リナメル」に配合されているnano-HAPは、結晶を構成するミネラル成分を歯質に直接補給し、再石灰化することが可能である6。歯質最表層の化学反応でハイドロキシアパタイトを合成する製剤や、唾液による再石灰化を促進させるフッ化物とは異なる作用機序である。 フッ化物は、頻回摂取や摂取濃度がナノケアの目的と6つのカテゴリー

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