b図25b〜d 本症例のような開咬症例では,保定管理中の機能的安定が非常に重要であるため,Beggタイプのリテーナーが有効である.初診時の口腔内写真(b).上下顎にBeggタイプのリテーナーを装着(c).治療終了後の口腔内写真(d).₂₁はオールセラミッククラウン,₂バイオクリアーマトリックス(モリムラ)によってダイレクトボンディング修復を行った.図25a ₅~₅固定式保定装置装着時.dc図25e クリアリテーナー(上顎),Beggタイプリテーナー(下顎)装着時.2 矯正歯科治療とインプラント埋入 固定式保定装置上下前歯部舌側に装着する可撤式保定装置Beggタイプリテーナー Beggタイプリテーナーは個々の歯の生理的運動を阻害しない.そのため,周囲組織と歯列の適応変化を促すことができる.クリアリテーナー クリアリテーナーは,アライナーのような薄い透明のプラスチックシート素材を用いる.咬合面を完全に覆ってしまうため,Beggタイプリテーナーのように歯の適応変化を促進させる効果は低い.しかし,歯周病罹患歯のような歯冠-歯根比が悪い歯を補綴歯科治療にて連結する場合や,補綴スペースをキープしておくような場合に有効である.図25 オーバーバイトが深い症例や咬合力が強い症例,う蝕リスクが高い症例には,上顎の前歯部舌側にワイヤー固定式保定装置が適応できない場合がある.また,補綴予定のために計画された空隙が存在するなどの場合,筆者は0.5~0.8mm程度の薄めのクリアリテーナーを用いることがある.159●リテーナー(保定装置)の種類
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