包括的矯正歯科治療
4/6

●アンキローシス判明時の対応手順acefbdg図12a 26歳,女性.重度の上顎前突を呈し,小学生のころに上顎前歯部を打撲した既往があった.図12b 矯正歯科治療の初期段階では矯正移動が可能であった.しかし,突然₂にアンキローシスが認められ,開咬傾向が認められた.図12c,d アンキローシスに対して亜脱臼を行い,矯正移動を試みた.図12e,f しかし,当該歯の遠心部に外部吸収が認められ,抜歯を余儀なくされた.図12g 同患者の初診時のCBCT所見.デンタルエックス線所見では判断が不可能であったが,CBCT所見を注意深く確認すると,₂遠心部歯髄に内部吸収(○)が確認される.つまり,幼少期の外傷がきっかけで歯髄内において内部吸収が発症し,さらに矯正移動が引き金となって内部吸収が進行したことでアンキローシスに至ったのではないかと推測される.図13 アンキローシス判明時の対応手順.2 矯正移動と歯内療法の関係1331)亜脱臼2)セグメンタルオステオトミー3)抜歯●突然アンキローシスが発生し,抜歯を余儀なくされてしまった症例

元のページ  ../index.html#4

このブックを見る