aFIG 24a~c 初診時.16歳,女子.₁部の治療相談で来院.₁は8歳のときに遅延型再植を受け,アンキローシスが生じている.デコロネーション(骨縁上の歯質の除去)を行い,将来のインプラント治療に備えるのがよいと思われた.₁sagittal₁sagittal₁sagittal₁sagittal300bcdefg唇側の骨が吸収する.② その吸収は,おおむね歯髄腔のあたりまでである.③ 歯槽骨には,歯に依存する骨量(TDBV)と歯に依存しない骨量(TIBV)がある.④ 骨欠損は周囲の水平的および垂直的骨レベルに応じて再生修復される.この部分を受動的治癒骨量(PHBV)と呼ぶことができる. 歯に依存しない骨量 歯に依存した骨量 受動的治癒骨量 歯に依存しない骨量FIG 24d 初診から1年1か月後の外傷を受けていない₁のCBCT画像.赤色の領域は,歯(歯根膜)がなくなると喪失する骨量を示す.緑色の領域は,歯がなくなっても喪失しない骨量を示す.FIG 24e デコロネーション後1年1か月のCBCT画像(FIG 24dと同日).₁の骨吸収は唇側のみでみられ,その進行は歯髄腔の位置までであることがわかる.緑色の領域は,歯がなくなっても喪失しない骨量を示す.FIG 24f デコロネーション前(初診時)の₁のCBCT画像.骨吸収は唇側のみでみられ,その進行は歯髄腔の位置までであることがわかる.FIG 24g デコロネーション後1年1か月のCBCT画像(FIG 24eと同じ画像).青の部分はデコロネーション部に再生してきた骨量である.すなわち,骨欠損は周囲の骨レベルに応じて垂直的にも水平的にも修復再生される可能性があることを示唆している.なぜ唇側の歯槽骨が吸収するか 上記の臨床観察では,歯根膜を喪失すると,唇側の歯槽骨が吸収を受けることが判明した.どうして骨吸収は口蓋側では生じず,唇側のみに起こるのであろうか. ヒトの顎・顔面・頭蓋の成長は,「縫合部での骨の添加」,「骨表層でのリモデリング(骨の吸収と添加)」,そして「歯の萌出」により起こるといわれている(FIG 25) 歯根膜の喪失と骨の関係
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