adbecf027エピソード 1 歯冠破折FIG 2a 振盪(歯根膜のわずかな損傷.短期間の打診痛以外に問題はない).FIG 2b 亜脱臼(根尖部で脈管の断裂をともなうが,歯の変位はほとんどない歯根膜の損傷).FIG 2c 挺出性脱臼(歯冠側への歯の変位をともなう脱臼).FIG 2d 側方性脱臼(唇側の骨折をともなって歯が側方へ変位した脱臼).FIG 2e 埋入性脱臼(根尖側方向へ歯が骨内へ変位した脱臼).FIG 2f 脱離(歯が完全に歯槽窩から離脱した脱臼).電話での対応 外傷患者の多くが急患である.とはいえ,電話で受診可否の問い合わせがあるはずである.そのときすでに外傷治療は始まっている.外傷の大まかな状況を聞き,歯冠破折であれば,破折片を水のなかに漬けて持参するように伝える.脱離(脱落)であれば,牛乳に漬けて持参させる.破折か脱離かわからない場合は,牛乳を選択する.検査・診断 患者が来院したら,まず破折性の外傷であるかどうか脱臼性の外傷の分類破折片をくっつけよう (最新の再接着法) 歯冠破折でもっとも患者に利する治療は,単純歯冠破破折では破折片の再接着である(FIG 3).このためには,患者自身が破折片をもって来院することが条件になる.近年では,幸い多くの患者が破折片をもって来院するので,以下のステップにそって破折片を元の歯に再接着してみてはどうだろうか.
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