病院歯科の現在地
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■病院歯科の現在地超少子高齢化、人口減少といった社会情勢のなか、医師・医療施設の偏在や医療・介護に対するニーズの増加など地域医療課題を解決するべく、地域包括ケアシステムの構築が進められている。診診連携、病診連携、病病連携、さらに歯科歯科連携、医科医科連携、医科歯科連携、医療介護連携、多職種連携などさまざまな連携体制の強化が挙げられている。連携とは同じ方向を向いて仕事をすることであり、そのためには良好な人間関係やそれぞれの医療スタッフによる各分野の専門技能への相互理解が重要である。それにより、それぞれの専門性を活かした幅広い情報収集が可能となり、結果として医療の質の向上につながる。1次、2次、3次医療機関、個々の役割・専門連絡先:〒243-0433 神奈川県海老名市河原口1320キーワード:病診連携 病院歯科 地域力向上 学びの場の提供30施設データ病床数:479床診療科数:23科・4センタースタッフ数:1,315名(2022年:常勤医師数122名/看護師数593名)外来患者数:413.4名(2019年 1日平均・外来クリニック除く)入院患者数:385.3名(1日平均)平均在院日数:10.9日地域高齢化率:24.7%(2021年)性・機能にあわせたいわゆる「上り」の連携は医科も歯科も大きな相違はない。しかし、患者が急性期から回復期を経て自宅に戻るまでの「下り」ネットワークの1つの例として、病院における退院時カンファレンスが挙げられる。退院時カンファレンスは、院内スタッフと在宅サービスを担当するスタッフが現在入院中の患者の治療状況や退院に向けた方針などに対して、医療ソーシャルワーカー(MSW)などが情報共有の必要性を判断して開催されている。参加職種は病院側の医師、看護師、薬剤師、栄養士、リハビリスタッフに加えて、在宅サービス側でかかりつけ医、訪問看護師、ケアマネジャー、薬局薬剤師、歯科医師、歯科衛生士、訪問リハビリスタッフ、へルパー、患者・家族などであり、安心・安全な療養生活ができるように連携が図られている。しかしながら、その退院時カンファレンスに歯科医施設名:海老名総合病院施設の特徴:神奈川県の県央地区にある地域医療支援病院。「仁愛の心で地域の皆様とともに」を理念として地域密着型高度急性期病院を目指し、2023年5月には新病棟が開棟。また、新型コロナウイルス感染症の神奈川モデル認定医療機関重点医療機関として、新型コロナウイルス感染症患者の対応も行う。はじめに石井良昌 Yoshimasa Ishii海老名総合病院 歯科口腔外科部長日本口腔外科学会専門医/日本有病者歯科医療学会指導医/日本臨床栄養代謝学会認定歯科医/日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士/国際口腔インプラント学会認定医/日本サルコペニア・フレイル学会サルコペニア・フレイル指導士/Infection Control DoctorChapter2病診連携地域歯科医師会との連携体制の取り組み

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