1億円歯科医院の作り方_継承編
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 スタッフを増やすタイミングは,皆さんが迷われる項目の1つですね.いつ増やすかを院長先生に尋ねると,「忙しくなってユニットを増やしたから」という回答が多かったです.しかし,それは大きな間違いになります.ここでもしっかりとスタッフを雇用する根拠を理解しましょう. スタッフの人件費は通常20%が妥当だといわれていますが,この人件費は歯科医院によって変わってきますので,自院のスタッフの人件費を1年分Excelなどに入力して判断するとよいかと思います. ここでは,計算しやすいので「20%」で行います.また,ボーナスは20%の中に含めて計算しています.ボーナスは6か月で1.5か月分の金額を割り算して按分します.【100%:20%=総売上:スタッフ人件費】という公式が成り立ちます.1億円歯科医院の月間売上833万円で考えると,スタッフ人件費は166.6万円です.「人が足りなくて忙しいから雇用する」という考え方はやめよう!【歯科衛生士(30万円×2名)+歯科助手(25万円×2名)+ボーナス1.5か月分(DH〔7.5万×2名〕+DA〔6.25万×2名〕)=137.5万円がスタッフ人件費】 166.6万円−137.5万円=29.1万円の差額がありますので,歯科助手をもう1人雇用する余裕があると判断できます.人を雇用するときは,いつもこの金額に注目する必要があります.「人が足りなくて忙しいから雇用する」という考え方はやめましょう. 上記の方法を用いることで,新たに雇用してよいかどうかの判断がつくようになったと思います.では,その次のステップとして,「そんなことをいっても,スタッフが有給休暇をとる余裕がない」「結婚,妊娠,出産がある」「人員の補充をしておきたい」といった将来に向かった先行投資が必要なケースも多々あるわけです.その場合,人件費の「%」が上がるため,どこかで辻褄を合わせる必要があり,利益を減らすか,経費削減をするかを考えなければなりません.101CHAPTER5 1億円歯科医院の“脱”どんぶり経営 スタッフをあと1人雇用してもいいか?

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