前院長にカリスマ性があると,既存スタッフとの人間関係に問題が発生する可能性があります.治療方針や理念など,急に大幅な変更をすると,さらに人間関係の悪化を招く場合があるので,注意が必要です. 親族間継承(相続パターン)においては,継承を行う予定はあるが,(親,親族の)歯科医院に勤務実績がない場合,いつ何が起こるかわかりません.そのため,現在勤務している歯科医院の勤めを継続しながら,継承予定の医院に週1日でも良いので勤務をして,業務やスタッフおよび患者の引継ぎを少しずつ行うことで,トラブルを最小限に抑えられると思います. 医院継承における院内トラブルを少なくするため徐々に引継ぎを行うことでトラブルを最小限に!89CHAPTER4 歯科医院継承のメリット・デメリット の心得ですが,前院長は,新院長に継承したのであれば,言いたいこともあると思いますが基本的に新院長にまかせる(院長,理事長として認める,継承することを既存のスタッフや患者さんにも伝える)ことが大切です. 一方,新院長は,医院を長年継続してきた前院長や既存スタッフ,患者さんに感謝することを忘れずに発展を目指す(医院がさらに良くなるために協力をお願いする)ことが重要となります. 前院長に対して,あるいは新院長に対して,お互いに変化を求めすぎると医院内が分裂してしまいます.変えてもいいこと,変えるべきではないことを判断して,無理な場合は多少の諦めも必要です.今さら変えられないことも多いのも事実です.継承時に起こりがちなトラブル
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