Digital Dentistry YEARBOOK 2023
3/6

図1 CARA PRINT 4.0 PRO。図2 CARA PRINT LEDCURE。 近年、デジタル化によって、歯科用CT、歯科用CAD/CAM、IOS(口腔内スキャナー)、3Dプリンター、外科用オペレーションシステムなど多種にわたる機材が各社から販売されている。 どれから導入するべきなのか、タイミングはいつなのか、今後の展望はどうなのかと、質問されることが増えてきた。どのようなDigital Dentistryを目指しているのか、構築する場所によって、大きく異なる。すべてを院内で行いたいのか、歯科技工所と提携してデジタル化していくのか、これらによって導入する機材が変わってくる。 個人的な意見になってしまうが、IOSを最初に導入することがワークフローに変化をもたらすため、最初の一手として選びたい。次の一手としては、飛躍的な進歩をしている3Dプリンターを選ぶのがよいと思われる。CAD/CAMシステムも非常に有用であるが、導入費も非常に高く、消耗品のコストも予想より高くコストパフォーマンスが高いとは言えないと感じている。 各社IOSやCAD/CAMの特性や性能に関しては、たくさんの文献やレビューがあるので今回は割愛させていただく。他のデジタル機器の中でも、当院で最近活用頻度が多くなっているのが図1、2に示す3Dプリンター(CARA PRINT 4.0 PRO、クルツァージャパンおよびCARA PRINT LEDCURE、クルツァージャパン)である。 本稿では導入医院がまだ少ない3Dプリンターについて、未導入の先生方へ向け、以下の構成で述べていく。①なぜ、今なのか②何ができるのか③どう使いこなすか④注意点⑤今後の展開⑥おわりに なぜクリニックで、3Dプリンターを導入しデジタル化を進めてきているのかを学術的ではない部分があるが記載していく。 それは、何のために働いているのか、働く意義とは何か考えたことがきっかけである。 患者に最新・最善・最高の治療を提供したいという大義名分はあるが、実際は自分の自由な時間と楽しみ67クルツァージャパン株式会社 PRESENTATION-CAD/CAMCASE 3Dプリンターを活用した臨床レポート西村伸明(歯科医師:西村デンタルクリニック)はじめになぜ、今なのか

元のページ  ../index.html#3

このブックを見る