ブラッシング歯ブラシ歯磨剤デンタルフロス洗口液保湿剤歯肉食品喫煙生活習慣Q33A33歯周病に関する疑問歯周病菌は、子どもに感染する?歯周病菌もヒトからヒトへ感染しますが、感染年齢はおおむね18歳以降と高いです。また、ペットからヒトに感染することもあります。78患者さんに「むし歯菌がうつると聞いたので、孫と同じお箸を使わないように気をつけています。同じように歯周病菌も子どもに感染しますか?」と聞かれました。どう答えればよいでしょうか?回答:久保庭雅恵、天野敦雄 う蝕と同様に、歯周病菌も唾液によって感染します。歯周病菌に感染した人の唾液が子どもの口に入ると、歯周病菌がうつります。しかし、う蝕と違うのは感染する年齢です。う蝕菌は1歳半から子どもにうつり始めますが、歯周病菌はそうではありません。歯周病菌の感染は遅いのです。 病原性の低い歯周病菌は小学校入学前にうつります(おそらく家族の唾液から)。小学校高学年までに中程度の病原性をもつ菌が口に住み着きます1(家族あるいは家族以外の唾液から)。そして、もっとも病原性の高い歯周病菌であるPorphyromonas gingivalisが感染する年齢はおおむね18歳以降です2。18歳以降の唾液感染の原因は家族よりも、パートナー(恋人あるいは配偶者)とされています。感染が成立するには密度と頻度が必要ですから、一度きりのキスでうつるかどうかは疑問です。 また、ペットから感染することもあります3。犬や猫にはヒトの歯周病菌に加え、Porphyromanas gulaeというペット独自の歯周病菌が感染しています。ペットの歯周病菌はヒトにもうつります。飼い犬のジョンに顔を舐められて笑っていてはいけないということです。 歯周病菌の感染予防には、人生を通じて他人の唾液が自分の口の中に入らないように注意を怠らないことが必要です。筆者らの職場では、宴会に大皿料理が出てきたときは、必ず取り箸で小皿に料理を取り分けます(直箸厳禁!)。
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