「圧下」のための歯科矯正用アンカースクリューテクニック
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しかし、歯根側面をかすめるようにアンカースクリューを挿入すると歯根に接触した瞬間硬くなる感触を得た後に、アンカースクリューが自動的に軸ブレを起こし、意図した方向と違う方向に挿入された(図1-42a、b)。図1-42a図1-42b 通常考えにくい失敗の想定として、逃げようのない歯根の中央を狙ってアンカースクリューを挿入する(図1-43a)と歯根に接触した瞬間、明らかに硬さが異なる感触を得、それから無理に埋入しようとすると空回転を起こした(図1-43b)。 これを高回転の切削ドリルでドリリングを行った場合には、上記のことが感知できずに容易に歯根を穿孔させるであろう。また、セルフドリリングでもエンジンを使用し、手指の感覚を生かせないようなハンドリングを行った場合には、そのような事故が起こらないとは言いきれない。 何らかの理由で歯根側面をかするような接触が起こった時には、通常はそれを触知できるし、接触された歯根膜もそのような小さな範囲の浅い損傷なら問題なく治癒する。図1-43a図1-43b44

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