補綴治療に必要な咬合の基礎知識
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下顎運動図4-16c バイト・レコーダーは約55.0℃のお湯で軟化し,まず上顎歯列に圧接,下顎を切端咬合位に誘導し閉じる.図4-16d 2~3分口腔内に保持し,変形に注意しながら口腔外へ取り出す.図4-16e 右側方運動のチェック・バイト採得.上下顎犬歯の切端咬合位.(A)(B)(C)図4-16f 口腔外へ取り出す.図4-16g 左側方運動のチェック・バイト採得.図4-16h 口腔外に取り出したら,すべてのチェック・バイト・ワックスを冷水に入れて保存.BA図4-16a チェック・バイト法とは,顆路の出発点と顆路上の任意の1点とを結んだ直線が各基準面となす角度を計測する方法.図4-16b チェック・バイト・レコーダーは,パラフィン・ワックス約2枚分の厚さで,(A)前方運動用,(B)右側方運動用,(C)左側方運動用の3枚を用意する.Ⅴ.チェック・バイト法による咬合器の調節 チェック・バイト法とは,生体の顆路の出発点とその顆路上の任意の1点を結ぶ直線が各基準面となす傾斜角を測定する方法である(図4-16a). チェック・バイト法はChristensen(1905)により開発されたとされている.Christensenは偏心運動時に咬合堤の下顎臼歯部が下方へ沈下して離開する現象を発見し,この現象はのちにクリステンセン現象と名づけられた.1.チェック・バイトによる偏心位の記録 チェック・バイト法に用いるバイト・レコーダーは,パラフィン・ワックス約2枚分の厚さで,側方運動用2枚と前方運動用1枚の合計3枚を用いる(図4-16b). 偏心運動時,機能的に重要な下顎の動きは切端咬合位から咬頭嵌合位までであることからバイト・レコーダーの側方用は上下犬歯の切端咬合の状態が確認できるようカットされ,また前方用は切歯部分がカットされている.この切端咬合位の確認は顆路傾斜角に影響するからである. このチェック・バイト・レコーダーの形状は1982チェック・バイト法ab49

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