見分けて治そう! 歯科金属・材料アレルギー
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100注目点口腔内に使用したチタンにより,感作およびアレルギー反応を惹起した症例を経験した.われわれ歯科医師も,チタンの口腔内使用による感作の可能性を頭に置く必要がある.*より詳しく知りたい方はKo N, Mine A, Egusa H, Shimazu T, Ko R, Na-kano T, Yatani H. Allergic reaction to titanium- made fixed dental restorations:A clinical re-port. J Prosthodont 2014; 23: 501-503.を参照下さい.患 者 50歳,女性主 訴 顔面の湿疹現病歴48歳のとき,下顎総義歯が不安定なため,下顎に2本のインプラントを植立した.ところが,植立1週間後から顔面下部に赤い発疹が生じ,しだいに顔全体に拡大した.その後も症状が改善しないため,アレルギー専門医を受診し,アレルギー検査を受け,歯科金属アレルギーが疑われたため,当院を受診した(図17a, b).処 置インプラントのフィクスチャーは,純チタン性(99.64%grade 1)であった.リンパ球幼若化試験では,Hg,Ni,Tiが陽性となり,口腔内のインプラントを含めた金属が原因と疑われた(図16a, b).はじめに,フィクスチャー以外の金属をすべて除去した.しかし,症状は改善しないため,インプラントの主治医によって,フィクスチャーをトレフィンバーにて除去してもらった(図16c, d).1週間後に,顔面の症状が一時的に悪化し,インプラントによるアレルギーが確定した(図17c, d).インプラントによるアレルギー 顔面の湿疹図16a, b 初診時.図16c, d インプラント除去.患者 50歳,女性abcdPART 3 さまざまな歯科金属アレルギーの症例インプラントによるアレルギー8-6

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