ITI Treatment Guide Volume 7
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6章 臨床ケース報告ITI Treatment Guide n Volume 7116骨増生 手術は局所麻酔下で実施された。左側下顎枝へのアクセスは、左側下顎第二大臼歯部位の歯肉溝内切開と下顎枝上部の遠心減張切開により確保した。この切開法は、遠心切開を延長しているという点を除き、第三大臼歯抜歯手術にきわめて近い手法である。フラップを挙上後、ボーンスクレイパーを用いて十分な量の自家骨片を採取した。その後、5‐0シルク縫合糸を用いた単純縫合でフラップを供給部位上に復位させた。 犬歯欠損部位の歯槽頂切開ならびに、隣在歯部分の歯肉溝内切開および減張切開を行い、骨欠損部への理想的なアクセスを確保した(図5)。軟組織のデブライドメント後に、欠損部の正確な大きさを把握することができた。唇側と口蓋側の骨壁はともに失われており、欠損部の深さは最大で11mmに及んだ(図6、7)。側切歯と小臼歯のルートプレーニングも行った。 チタン強化型Gore-Tex®(Gore® TR9)メンブレンをトリミングし欠損部に適合させて、チタン製ピン(FRIOS® mem-brane tacks, Dentsply)を用いてメンブレンを唇側骨壁に一時的に固定した(図8)。さらに、チタン製スクリュー(Straumann® Modus、直径1.5mm、長さ14mm)を用いて、欠損上部でメンブレンを支持した(図9)。図8 チタン強化型メンブレンをトリミングし、複数のチタン製ピンで固定。図9 欠損中央部でメンブレンを支持するように、チタン製スクリューを追加した。図5 隣在歯部分の減張切開を伴うフラップデザイン。図6 外科的に欠損部を露出。図7 欠損部の垂直的欠損は最大で11mmに及んだ。

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