歯のしくみ 口のしくみ
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31● 歯のしくみ 赤ちゃんの歯ぐきにはじめての歯がチョコン。歯はまるで、子どもの成せいちょう長という喜よろこびを私たちに気づかせてくれる使し者しゃのようです。 次々と乳にゅう歯しが生え、3歳くらいに乳歯が生え終わると、つぎに生えてくるのは永えいきゅうし久歯。永久歯は乳歯を押おし出して顔かおを出します。 ところで、歯はどうやって生えるのでしょう? 誰だれも押しても引いてもいないのにね。 歯はあごの骨ほねのなかにできた「歯の種たね」(歯し胚はい)が育そだったものだと、28ページでお話ししました。歯の種はまず歯の頭(歯し冠かん)を作り、最さい後ごに歯の根っこ(歯し根こん)を作ります。だから、歯の頭あたまが歯ぐきから出はじめたころは、根っこはまだ短くてできかけ。でも、根っこがグングンと伸のびるエネルギーで、歯は外に向かって頭を押し出しているのです。 歯が生えてくる様子は、まるで種が発はつ芽がするときのよう。発芽するとかわいらしい芽めが土の上にチョコンと出ますが、そのころ土のなかでは、しっかりと根が伸びはじめています。根がグングンと伸びると、そのパワーでグッと芽が上に押し出されるのです。 歯が生えるのも、歯根ができるときのパワーのおかげ。永久歯は、歯根ができるパワーで乳歯を押し、乳歯の歯根を溶とかしながら歯ぐきのほうへと骨のなかを進みます。ロケットが噴ふん射しゃのエネルギーで動くのと同じようなしくみです。歯ってたくましいですね。歯は、根っこがグングンと伸びるパワーを使って硬かたい骨ほねのなかを進み、ついに生えてきます!ずっと大だい事じにしてあげようね。 歯が頭を出すとき、なぜ歯ぐきに血ちが出ないのでしょう? 歯は歯ぐきを破やぶって出てくるのに、ふしぎだと思わない? じつは歯が生えるときだけ、血けっ管かんが通っていない歯ぐきの粘ねん膜まく上じょう皮ひと歯をおおう上じょう皮ひが一いっ体たい化かして、歯の通り道を作り、血が出ないように歯を通してくれるのです。うれしいしくみですね!歯ぐきの粘膜上皮上皮が一体化して歯の通り道を作る歯をおおう上皮

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