新・歯科人間ドック基本マニュアル
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顎関節症関連検査図5 開口量の測定は、座位で行う。頭部を安頭台でサポートせずに、リクライニングもしないように、背中にクッションやタオルなどを挟んだ姿勢で行う。図6 受診者は正面を向き、ノギスの内測用クチバシを、上下中切歯切縁にあて、自力の最大開口量を測定する(左)。あらかじめ、測定する中切歯の左右側を決めておくとよい。また、受診者の体に器具が触れないようにノギスの向きに注意する(右)。図7 圧痛検査の基本は1.8~2.0kgの荷重で行う6。2.5mLディスポーサブルシリンジに2.0mLの空気を引き、空気が漏れないように出口を指でふさぎ、プランジャーを検査部位に押し当てて0.5mLまで空気を圧縮すると、約2kgの荷重をかけられる。日頃から訓練することで、基本の2kg荷重のイメージをつかんでおけば、シリンジなどの器機類を使用することなく、手指により弱圧(1kg程度)、中圧(標準圧で2kg程度)、強圧(4kg程度)の圧痛検査を行うことができる。2開口量の測定(図5、6)3咬筋、側頭筋、胸鎖乳突筋の触診および圧痛検査(図11~16) パノラマエックス線写真によるスクリーニングを行った後、顎機能の変化のバロメータとなる開口量の測定を行い、ついで筋、とくに筋膜痛に対応する検査を行っていく。顎関節症の主要な病態といわれる筋膜痛は、日常生活の繰り返しにより進行し、突然あるいは、なんらかの動作を契機として発症することから、筋に対する検査は、日常生活で多用する頭頸顎部の筋で顎関節症を発症する頻度の高い3筋(咬筋・側頭筋・胸鎖乳突筋)に対し、水平位における安静時と筋内部に圧力が届きやすい姿勢時(咬筋・側頭筋に対しては開口時、胸鎖乳突筋に対しては頭部回転時)における触診および圧痛検査を行う。43
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