TMD YEARBOOK 2013 顎の痛みに対処する
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1083章 スプリント療法のClassic Evidence別冊the Quintessence 「TMD YEAR BOOK 2013」108別冊the Quintessence 「TMD YEAR BOOK 2013」Splintsはじめに TMDは,多因子性の疾患であることから,さまざまな考えのもとに従来より種々の可逆的療法や非可逆的療法が提案されてきた. 可逆的療法の代表的なものとしてスプリント療法が挙げられるが,使用法を誤ると症状をかえって増悪させてしまうこともある.そこで,読者のスプリント療法に対する知識を深めるために,各種スプリント療法の歴史的変遷について主要論文の紹介とともに解説する.概略は図1に示すとおりである. なお,独自の理論に基づいたスプリント等も見受けられるが,本稿では今日においても使用されているピボットスプリント,スタビライゼーションスプリント,リポジショニングスプリントに言及して述べることとする.1.TMDに対するスプリント療法の始まり(1950年代後半~1970年代前半) 文献検索によると,TMDに対してスプリント療法が適用されたのは,1956年にSears(00)1によって報告されたピボットスプリントが挙げられる.スプリント療法のClassic Evidence─その歴史的・学術的背景から最新の研究成果を学ぶ─キーワード:ピボットスプリント,スタビライゼーションスプリント,リポジショニングスプリント図2 ピボットスプリント.患側の最後方臼歯にピボットを付与し,健側小臼歯部での噛みしめ動作により患側下顎頭の下方牽引を促す(図は,参考文献1より引用・改変).鱒見進一九州歯科大学口腔機能学講座顎口腔欠損再構築学分野連絡先:〒803‐0844 福岡県北九州市小倉北区真鶴2‐6‐1

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