TMD YEARBOOK 2013 顎の痛みに対処する
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322章 TMDの症状に対する正しい検査・診断を学ぶ別冊the Quintessence 「TMD YEAR BOOK 2013」32別冊the Quintessence 「TMD YEAR BOOK 2013」1‌₁.症例の概要(図1)年齢:41歳.性別:男性.前医の診断名:左側顎関節症(クローズドロック). 約20年以上前,両側の顎関節に開閉口時に関節雑音を認めるようになったが,日常生活に支障がなかったため,医療機関の受診はしていなかった.約半年前より大開口時(欠伸時)と咀嚼時に左側の下顎,頬部に疼痛を生じるようになった. 本症状に対して我慢していたものの,疼痛は経時的に悪化し,それにともなう開口障害も相まって,食事に支障をきたすようになったため,近医を受診した.近医ではスプリントを処方され,就寝時に装咀嚼筋痛キーワード:咀嚼筋痛,病態診断,原因推定図1 症例の概要.患者の概要年齢:41歳性別:男性主訴:左側のアゴの痛み,開口障害現病歴: 6か月前より開口時と咀嚼時に左側のアゴに痛みを覚えるようになり,開口障害も生じるようになって食事に支障をきたすようになった.近医を受診するも症状の改善が見られないため,紹介にて来院.既往歴:高血圧,大腸ポリープ前川賢治岡山大学大学院医歯薬学総合研究科インプラント再生補綴学分野連絡先:〒700‐8525 岡山県岡山市北区鹿田町2‐5‐1

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