歯科矯正学における3D診断および治療計画
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162図7.1 顎関節の骨成分を示す医療用CTの多面的な再構成図。図7.2 顎関節部の軟部組織の画像を示す医療用CTの多面的再構成図。 医科用CTとは対照的に、コーンビームCT(CBCT)装置は、歯科用の顎顔面領域に特化して設計されているため、歯科診断に適している。CBCTの主な利点は、医科用CTと比較して、高速で簡単な画像処理、そして低放射線量である。CBCTは、コントラストが低いにもかかわらず、矢状断面、冠状断面、軸位断面の3平面で骨関節構造を観察することができる(図7.4〜7.7)。 CBCTの主な適応症は、顎関節の骨構造評価であり、骨の変化の位置と程度を正確に判断することができる。骨折、新生物、癒着、偽嚢胞、退行性変性、骨増殖性変性、無症候性骨リモデリングの有無、手術後の状態の評価、下顎頭、茎状突起、篩骨突起の形態的変化や過形成、代謝性関節炎や滑膜軟骨腫症による関節内石灰化などがある。硬組織、歯、骨は、ノイズやアーチファクトを最小限に抑えながら実際の形J. No-Cortes et al.

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