ITI Treatment Guide Vol12
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図20 左側側切歯の歯肉弁歯冠側移動術:フラップデザイン。図21 左側側切歯の歯肉弁歯冠側移動術:部分層弁の挙上。図22 左側側切歯の歯肉弁歯冠側移動術:結合組織移植、正面観。図23 左側側切歯の歯肉弁歯冠側移動図24 縫合固定した左側側切歯の歯肉弁歯冠側移動術。112ITI Treatment Guide ・ Volume 12術:結合組織移植、側方面観。図25 歯頚部のプロファイルを調整後にセメント固定したテンポラリークラウン。 上顎左側中切歯。テンポラリークラウン除去後、移植片の血流を改善するために台形部分層弁を形成した。近遠心的減張切開を歯肉歯槽粘膜境に向かって根尖側に2mm伸長した。歯肉歯槽粘膜境を越えて部分層弁を形成し、テンションなく歯冠側へフラップを伸長するために筋線維を切断した(図20、21)。 露出したインプラント表面(1mm未満)をダイヤモンドバーで研磨し、滅菌生理食塩水とクロルヘキシジンで洗浄した。続いて、左側上顎結節から採取した結合組織片の上皮を除去し、7-0吸収性ポリグリコール酸縫合糸(PGA;Stoma,Emmingen-Liptingen,Germany)で唇側骨膜へ縫合固定した(図22、23)。 結合組織の固定後、移植片を完全に被覆するように歯肉弁を歯冠側に移動した。最後に、歯肉弁を6-0吸収性縫合糸で固定した(VicrylEthicon;Johnson&JohnsonMedical,NewBrunswick,NJ,USA)(図24)。軟組織の圧迫を避けるためテンポラリークラウンを短くしてアバットメントにセメント固定した(図25)。右側の術後と同じように、患者に術後の指示と投薬を行った。6章 臨床ケース報告

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