Pick upで紹介!70PART2 イマココ!がわかる 口腔×全身疾患のエビデンス編1口腔内の衛生状態と誤嚥性肺炎に関連がある可能性が論じられはじめる 医科の研究者より、口腔内を清潔にすることで高齢者の誤嚥性肺炎の発症を抑制できる可能性があることが新聞記事等で論じられはじめました。しかし、まだこの頃は歯科医師や歯科衛生士など専門家による口腔ケアではなく、多くは経験に基づいた考えであり、口腔衛生のクオリティも含めて質の高い臨床研究はありませんでした。専門家による口腔ケアが誤嚥性肺炎の予防効果を示すRCTが複数公表された 専門家による口腔ケアが介護老人施設入居者の誤嚥性肺炎や発熱、さらには死亡率までも減少させることを示したRCTの原著論文が、Yoneyamaら(2002)2)、Adachiら(2002)3)により発表されました。これらはいずれも日本発のものでした。口腔ケアが肺炎のリスクを減らすことが示された 世界的な医学誌「The Lancet」に、レターという形で、介護老人施設入居者において、口腔ケアを行わなかった場合に肺炎を発症するリスクが1.67倍高かったことが報告されました1)。これにより、口腔ケアが肺炎のリスクを減らすことが世界で初めて示されました。19902000口腔×誤嚥性肺炎オーバービュー現状では、口腔ケアにより誤嚥性肺炎のリスクは減らせると言われているが、エビデンスレベルは低いとの見解もある1990年代~2002年1999年
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