感染対策マニュアル
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Chapter3 診療中における感染対策ルーティンワーク76『決定版 歯科医院のための感染対策』P.42もチェック!目に見える汚れはあるか?血液の付着は確認できるか?洗浄はどのように行うのか?滅菌まで必要か? RKIガイドラインにおける医療機器の汚染除去に関する規則では、以下のような専門知識を有することが定められている。 ①感染症の伝播経路(交叉感染、飛沫感染等)に関する知識を含む、衛生学および微生物学に関する知識②医療器材に関する専門知識(素材、構造に関する)③使用後器材の感染伝播の可能性と汚染除去の必要性に関するリスク評価と分類に関する知識 具体的には、●器材の適切な準備(前準備、ステリライゼーションルームへの運搬、予備洗浄、分解)に関する専門知識●器材の適切な洗浄、消毒、すすぎ、乾燥に関する専門知識●消毒後の器材の清浄度と損傷を確認するための適切な手順に関する専門知識●器材の包装と滅菌に関する専門知識●既滅菌器材のバリデーションと文書化ならびラベル表示に関する専門知識●製造元の指示に従った手入れ、保守点検、物理的モニタリングに関する専門知識となる。 ドイツでは、歯科医院の従事者は指定の教育プログラムまたは専門トレーニングを受講し、テストによって認定されれば適正な資格を得ることができる。この資格は更新制であり、資格者は更新テストを受けなければならない。日本でも、汚染器材の再生処理にかかわる作業者は専門知識を習得することが必要不可欠であり、本来ならRKIガイドラインに基づいたトレーニングを受講しなければならないであろう。 それらの専門知識のなかで、汚染器材はリスク評価とその分類をすることが必要不可欠となっている。したがって、汚染器材の再生処理のルーティンワークには、その器材の使用状況や汚染状況に基づいてセミクリティカルA/セミクリティカルB/クリティカルA/クリティカルB/クリティカルCに的確に分類することが求められる。 トリートメントルームのアシスタントワークスタッフが、血液の付着がある、あるいは疑われる器材は「クリティカル」、血液の付着がない器材は「セミクリティカル」と分類する。コンタミネーションコンテナ内でクリティカルとセミクリティカルが混合しないように区分してステリライゼーションルームに運搬する。 ステリライゼーションルームのディコンタミネーションスタッフが、非中空構造の器材はA、中空構造の器材はB、滅菌不可な器材はCと分類する。その分類に基づいて以下のとおり再生処理する。●クリティカルAに分類した器材は、WDが推奨、高圧蒸気滅菌が不可欠である●クリティカルBに分類した器材は、WD、高圧蒸気滅菌が不可欠である●クリティカルCに分類した器材は、再生不可である●セミクリティカルAに分類した器材は、洗浄消毒が不可欠である●セミクリティカルBに分類した器材は、予備洗浄と洗浄消毒が不可欠である●クリティカルAならびにBは、無菌バリアシステム挿入後に滅菌工程に進むリスク分析に基づいた汚染器材の再生処理Evidence

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