PART2PART3c図6c,d 骨の切削片がブレードの間に入り込み,上顎洞粘膜を破ることなく挙上できるCAS-Drillを使用し,穿孔を起こすことなく粘膜にアプローチできていることが確認できた.マイクロスコープ下では,同軸方向の照明と拡大視野で,容易に上顎洞粘膜の確認や剥離ができる.PART4PART1図4a~c 術前の口腔内写真,デンタルエックス線写真およびCT像.ソケットプリザベーションを行った部分に,骨補填材が一部残っているように見える(b).インプラント埋入予定部位の骨の高さは,約4mmである(c).図5 ソケットリフトは,2つのステップで行う.ステップ1ではフラップを形成した後,画像診断上の誤差を考慮し,洞底骨が1mm残るところまでドリリングする.ドリルストッパー付ドリル(右端)を使用すると,より正確な長さまで効率よくドリリングすることができる.図6b ピエゾのラウンドチップで,上顎洞粘膜がうっすら見えるところまで,骨を削合した.図6a ステップ2では,1mmの残存骨を上顎洞粘膜を破らないように慎重に骨を削合する.図4a図4b図4cd上顎洞底挙上術におけるMIを追求する別冊the Quintessence 「マイクロデンティストリー YEARBOOK 2023」15ドリルストッパー付ドリルらと見えるところまで骨を削合した(図6a,b). その後,骨の切削片がブレードの間に入り込み上顎洞粘膜を破ることなく挙上できるCAS-Drill(OSSTEM Implant,ジオメディ)を使用し,粘膜へアプローチした(図6c,d).マイクロスコープ下で,穿孔を起こすことなく粘膜にアプローチできていることが確認できた.さらに,事前に採血・遠心分離して準備しておいたフィブリンで固めた骨補填材を,リフティングドリルで填入しながら粘膜挙上を行った(図6e).デンタルエックス線写真上で,約8mmの高さになるまで骨補填材を填入しながら挙上した(図6f).この程度の挙上量なら,短時間で終えることができる. 上顎洞粘膜の挙上後,直径5.8mm,長さ7.5mm4mm
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