別冊 マイクロデンティストリーYB2012
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30はじめに 近年,マイクロスコープをはじめ,ルーペ等の拡大システムを臨床で活用する歯科衛生士が格段に増えてきた.肉眼だけで行うより有効であることを実感されているからであろう.しかし,未だ使用したことのない歯科衛生士からは「必要性がいまいちわからない」という意見も耳にする.筆者もかつてはそうであった. 筆者は,約5年前から歯科衛生士向けにマイクロスコープ活用セミナーを開催している(図1).ある時「口腔内に問題のないメインテナンス患者さんへもマイクロスコープを使用するのですか?」と質問されたことがあった.答えはイエスである.肉眼で口腔内を確認することは大切だが,より小さな問題を早期に発見するには拡大して観察することが有利となる.そこで問題なく経過していることが確認できれば,より信頼性のある判断となるだろう.マイクロスコープで歯科衛生士の仕事の何が変わるのか? マイクロスコープを使うことで歯科衛生士の仕事は何が変わるのか? それは,視覚から得られる情報の質も量も肉眼のそれとは比にならないことに関係している.Case1~7を参照されれば一目瞭然だが,とにかくよく見える.肉眼で行っていた時には,チェアのライトが届きにくい部位や豊隆の強い歯の歯頸部遠心,歯肉縁下など,挙げればきりがなマイクロハイジーンコース受講生の感想図1 マイクロハイジーンコース受講生の感想.マイクロスコープの有用性を実感する受講生は多い.・・スケーリングで根面を傷つけることを最小限に抑えられそう.・・肉眼では除石できていると思っていたが,マイクロスコープで見たら,まだ取り残しがあった.・・使い慣れるまではかなり大変そうだが,マスターできればかなり有効だと思った.ズームアップで対象物が見えて感動した.・・今まで見にくかったところがよく見えるようになった.術者とミラーのポジションが大切だと思った.別冊the Quintessence 「マイクロデンティストリー YEAR BOOK 2012」キーワード:初期治療,SRP,不適合補綴物,初期う蝕,歯肉縁下歯石,歯根破折Case Report初期治療からメインテナンスまで初期治療からメインテナンスまで歯科衛生士こそ必須のマイクロスコープ~9年間,毎日使用している経験から~前田千絵東京都勤務 鈴木歯科医院連絡先:〒125‐0032 東京都葛飾区水元1‐22‐14Microscope should be Used by Dental Hygienists at All TimesChie Maeda特集3マイクロスコープで変わる! 歯科衛生士の仕事

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