歯科医院で患者さんにしっかり説明できる本2
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■第1章 フッ化物応用■第1章第2章第3章第4章第5章第6章第7章第8章第9章第10章1形成抑制第11章第12章第13章3病原性コントロール2除去第14章第15章 1プラークの形成を抑えるには糖質の摂取回数を減らし代用糖を利用するなどしたうえで、抗菌薬などを用いたブラッシングで菌数を減らしておくこと11説明のPOINT物理的、化学的コントロール食生活、物理的、化学的コントロール食生活、化学的コントロール細菌は歯ブラシの毛先よりも小さい! 歯のくぼみにある溝の直径は約20μmで、小さな穴だと約5μmで、この中に約1μm(0.001mm)の細菌が多数生息しています。しかし、歯ブラシの毛先1本の直径は0.2mm(200μm)ですから、歯ブラシだけできれいにす テレビのコマーシャルなどの歯ブラシで歯垢(プラーク)を除去する場面で、「プラークコントロール」という言葉を耳にします。このように、むし歯予防=歯磨きというイメージがあるかと思いますが、実は、歯磨きで10,000個の細菌を1個に減らすことができても、2時間後には元にもどってしまいます。 さらには、歯のくぼみと溝(小窩裂溝)や表面に存在する多数の小さな穴(微小欠損内)に潜む細菌は歯ブラシでは除去しきれません。そのため、むし歯予防に効果が認められているフッ化物をじょうずに利用するとよいのです。図2 むし歯予防におけるプラークコントロールの概念覚えておこう!をアドバイスしましょう。2プラークの除去は、家庭で行うセルフケアと歯科医院で行うプロフェッショナルケアがありますので、両方をすすめる必要3つの面からプラークをコントロールしよう プラークコントロールには、3つの面があります1。1一番はじめに取り組むべきはプラークの形成自体を抑えること、つぎに、2どうしても付着してしまうプラークはできるだけ除去すること、そして、3除去しきれなかったプラークは病原性を低めることです(図2)。 しかし、前述したように歯の清掃には限界がありますし、三大栄養素の一つである糖質を摂取しないわけにはいきません。フッ化物を応用しても、100%むし歯を予防できるわけではありませんから、この3つのすべての面からアプローチする必要があります。ることはできません。極細毛といわれるものでも約20μmです。 さらに、歯と歯の間や歯周ポケット内なども同様に磨ききれません。ですから、歯磨きだけでむし歯を予防しようとしても限界があるのです。があります。3プラークのう蝕病原性を低めるには、フッ化物を利用することと、抗菌薬などが配合されている歯磨き剤や洗口剤の利用をすすめましょう。代用糖の利用、スクロース(ショ糖)・食間・粘着性甘味飲食物の摂取コントロール、十分な清掃回数、抗菌薬の利用専門家による清掃、家庭での十分な清掃、デンタルフロスなどの利用、歯磨き剤や洗口剤の利用フッ化物や抗菌薬など配合歯磨き剤や洗口剤の利用ブラッシングだけでむし歯予防はできませんフッ化物をじょうずに利用する必要性を伝えましょう簡単に説明するなら……詳しく説明するなら……むし歯予防には限界があるブラッシングのみでの

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