■第1章 フッ化物応用■10■フッ化物応用は歯磨剤で十分!……とならないのはなぜ? 図1は2016年の都道府県別の集団フッ化物洗口実施人数割合*と同年の12歳児のDMFT指数(学校保健統計調査による中学校1年生の一人平均永久歯う蝕経験歯数)の相関を示したものです。 最近になって集団フッ化物洗口を開始した地域では、う蝕減少傾向は明らかになっていませんが、全体では統計学的に有意(p<0.05)な弱い相関(R=−0.29)がみられます。つまり、集団フッ化物洗口実施人数割合が高いほど、う蝕が10図1 フッ化物洗口を実施している割合が高いほど12歳児のう蝕は少ないブラッシングのみでのむし歯予防には限界があるフッ化物は異なる濃度による複数の方法を取り入れることで効果が増す正しい使い方で効果的に(1)フッ化物配合歯磨き剤沖縄県P.11P.12患者説明用シートP.13新潟県P.14P.1512歳児DMFT2.01.81.61.41.21.00.80.60.40.210.020.030.040.0*NPO法人日本フッ化物むし歯予防協会、WHO口腔保健協力センター、公益財団法人8020 推進財団、一般社団法人日本学校歯科医会共同調査による実施人数/年少人口で算出した%R=‒0.29, p<0.0550.060.070.0(%)少ない傾向にあるということです。う蝕が一番少ない新潟県と一番多い沖縄県では、フッ化物洗口実施人数割合の差が10.2倍、う蝕の差は4.8倍もの開きがあります。このデータからも、フッ化物配合歯磨き剤に加えてフッ化物洗口を行うと、う蝕予防効果が上がるといえるのではないでしょうか。正しい使い方で効果的に(2)フッ化物洗口剤フッ化物局所応用は安全性が確保されている都道府県別集団フッ化物洗口実施人数割合説明のPOINT説明しましょうフッ化物の効果的な使い方を
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