acb84 患者は57歳の女性。1根尖部の腫脹を訴え来院した。1はサイナストラクトをともなった根尖病変が認められる(R10-1a、b)。1の唇側骨は、根尖病変の拡がりによるサイナストラクトと交通した開窓があるが、ボーンサウンディングでは、歯頚部付近の裂開は認められなかった。補綴装置を除去すると、12は歯肉縁下に及ぶう蝕もみられた(R10-1c)。 1は根尖病変の拡がりが大きく、う蝕も歯肉縁下まで及んでいることから、抜歯と診断した。根尖病変の拡大の影響で唇側骨には大きな開窓があり、抜歯時に開窓部を含めた骨増生を行い、待時した後にインプラント埋入を計画することとした。待時期間中はPTGTを行い、術前の軟組織形態を維持する。そのため2は待時期間中のプロビジョナルレストレーションの支台歯として保存し、1にインプラント支持のプロビジョナルレストレーションが装着された時点で、Root Submergence Technique(RST)を行い、①2のカンチレバーブリッジとする計画とした(R10-2)。R10-1a〜c a:初診時の正面観、1の根尖病変に由来するサイナストラクトがみられる。b:同デンタルX線写真。1は根尖部に透過像がみられる。c:2+2の補綴装置を除去すると、12は二次う蝕が歯肉縁下まで及んでいた。Case Information(R10-1)Recipe 10抜歯予定部位→唇側骨不健全→ 開窓(fenestration)→根尖病変大→治療戦略(R10-2)TET+GBR+PTGT→待時埋入+IP
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