口腔外科ハンドマニュアル2022_Nolink
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2TRAP : ERUTAEF LACEPSI岩井俊憲28Department of Dentistry / Oral and Maxillofacial Surgery / Orthodontics, Yokohama City University Hospitaladdress:3-9 Fukuura, Kanazawa-ku, Yokohama-shi, Kanagawa 236-0004横浜市立大学附属病院歯科・口腔外科・矯正歯科連絡先:〒236‐0004 神奈川県横浜市金沢区福浦3‐9Endoscopically-Assisted Surgery for Benign Lesions in Oral and Maxillofacial RegionIwai Toshinori 近年の外科手術は低侵襲化に向かっており,内視鏡の導入は患者QOLの向上に寄与しているが,口腔顎顔面領域への内視鏡の導入はいまだ十分とはいえない.これまで当科では内視鏡を用いた低侵襲な口腔顎顔面外科手術を実施しており1~14,本稿では良性疾患(嚢胞・腫瘍など)に対する内視鏡支援下手術について紹介する. 内視鏡を用いた口腔顎顔面外科手術は,「内視鏡画像のみを見ながら行う完全内視鏡手術(顎関節鏡視下手術と唾液腺内視鏡手術)」と「肉眼視と内視鏡画像を併用する内視鏡支援下手術」に分けられる.内視鏡支援下手術を行う場合には,術野が暗くて狭い深部となるため,ヘッドライトの使用が推奨される.また,深部組織での内視鏡下による確実な止血操作が求められるため,通常よりも太い先端径2mmのバイポーラフォーセップスを使用している.先端が銀合金であるバイポーラフォーセップスであれば凝固時の熱を素早く逃がし,焦げ付きや組織の付着を抑えることができるため,より確実な止血が可能となる. KARL STORZ社製の口腔外科手術用内視鏡が用いられる(図1).内視鏡下歯根端切除術に使用する内視鏡は直径2.7mm,長さ11cm,視野角70°の硬性鏡であり,シースを装着することができる.そのほかの口腔外科手術に使用する内視鏡は直径4mm,長さ18cm,視野角30°の硬性鏡であり,組織を圧排できるリトラクターの付いたシースを装着することができる.このリトラクターは術野を保持したり(スペースメイキング),血液などによるレンズへの汚染を防ぐことができる. 口内法による内視鏡支援下手術は,顎骨嚢胞や腫瘍1,2,咀嚼筋隙の脂肪腫3,オトガイ舌骨筋下の類皮嚢胞4,顎下腺腫瘍・粘液嚢胞5~7などに対し内視鏡を用いた低侵襲口腔外科手術口腔外科手術用内視鏡口内法による腫瘍・嚢胞に対する内視鏡支援下手術特 集2口腔外科における内視鏡手術口腔顎顔面領域における良性疾患に 対する内視鏡支援下手術

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