3)第二大臼歯歯根外部吸収(図3) 第二大臼歯歯根外部吸収に関するエビデンスを以下に示す11.・近心傾斜や水平埋伏智歯による第二大臼歯歯根外部吸収は,決して珍しくない(20.17%).・第二大臼歯と第三大臼歯の直接接触が認められる1)抜歯の適応・非適応 すべての下顎智歯に抜歯の必要性があるわけではないが,智歯周囲炎やう蝕,第二大臼歯の歯根外部吸収が頻繁に起こりうることを考えると,すべての患者は専門家に一度評価をしてもらうべきである12.これまで発表されてきたガイドラインにおいて,病的で症状のある歯は抜歯すべきだということはコンセンサスが得られてきた13,14.しかし,症状のない歯の抜歯の適応については,依然としてコンセンサ場合,無視せず積極的な経過観察もしくは予防的抜歯が推奨される.・35歳を超える年齢が第二大臼歯歯根外部吸収のリスクである.・PositionAのほうがPositionBよりもリスクが高い(Pell-Gregory分類).スが得られていない15.MEMO 無症状の下顎智歯の抜歯適応については,コンセンサスが得られていない.2)抜歯の禁忌症 抜歯操作は顎骨と周囲組織に侵襲を及ぼすため,抜歯に先立ち,抜歯が不都合であるような全身ないし局所的疾患を有するかどうか,また有する場合に29MEMO 半萌出,近心傾斜した智歯は周囲炎のリスクが高く,25歳以降は罹患率が倍になる.MEMO 35歳を超える年齢や近心傾斜,水平埋伏は第二大臼歯歯根外部吸収のリスクとなりうる.Chapter2 下顎埋伏智歯抜歯のエビデンス(前編)図2食渣の温床下顎骨標本での埋伏智歯2下顎智歯抜歯の適応と禁忌に関するエビデンス
元のページ ../index.html#6