18AcAcAcRcRcRcRiRi3R43R41R21R21R41R41A21A2 下顎埋伏智歯抜歯にかかわる局所解剖とは,当然のことながら智歯そのものの解剖に加え,智歯周囲の解剖も含まれる.下顎骨の形態や軟組織の構造は想像以上に複雑で,頭では理解しているつもりでも実際に口腔内を見たときになかなかイメージが湧きづらい.ここでは,下顎智歯抜歯にかかわる局所解剖を見直していきたい.1)下顎智歯(第三大臼歯)の解剖 まず,下顎智歯の形成,歯根の解剖についてみていく.歯の形成時期,とくに歯根の形成時期を知ることは抜歯時期を検討するうえでも非常に重要な要素となるため,しっかりとおさえておきたい.ⅰ)下顎智歯の形成 下顎智歯の形成時期については,多くの研究がこれまでになされている.Moorreesら1は,歯の形成段階の分類を行った. 下顎大臼歯の形成時期は,大きくC期(Crown,歯冠形成期),R期(Root,歯根形成期),A期(Apex,根尖閉鎖期)に分けられる.ここではC期は省略し,R期とA期について簡単に触れたい. R期はRi(Initial root formation,歯根形成開始),Cli(Initial cleft formation,歯根分岐部形成開始),R1/4(Root length 1/4,歯根長1/4完成),R1/2(Root length 1/2,歯根長1/2完成),R3/4(Root length 3/4,歯根長3/4完成),Rc(Root length complete,歯根長完成)の6つに分けられる.また,A期はA1/2(Apex 1/2 closed,根尖1/2閉鎖),Ac(Apex closure complete,根尖完全閉鎖)の2つに分けられる(図1). また,Liversidgeは2007年に下顎智歯の形成に図1根尖閉鎖根尖閉鎖歯根形成歯根形成歯根形成根尖閉鎖RiC1iC1iCli智歯の歯根形成:Moorreesら1による下顎大臼歯形成の段階下顎埋伏智歯抜歯に必要な局所解剖
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