うな形状となることがある.この場合,力学的な不安定を招くおそれがあるだけではなく,発音障害や食渣停滞の問題ならびにリップサポートの不足による審美障害など,多くの問題が噴出する可能性がある(図2).よって,顎堤吸収が中等度以上に進んだ無歯顎症例においては,治療計画を立案する際に,図1b IOD治療においても,埋入深度や平行性など,インプラントポジションはきわめて重要な要素となる.筆者らは現在すべての症例に対し,図のようなサージカルガイドを用いて埋入手術を行っている.図1c 本症例では,現代のスタッド型アタッチメントの代名詞であるロケーターアタッチメントを選択した.図1d 本症例は上顎に残存歯が存在するが,ClassⅡの骨格性不正咬合であったため,比較的力のコントロールがしやすい症例であった.患者に十分な説明を行い,上記の問題点を指摘したうえで,IODという選択肢を提示する必要があると考えている.もちろん骨格性の不正を有する患者においては,安易に適用することでより難症例をつくってしまう可能性があることは,前章でも述べたとおりである.153無歯顎補綴へのインプラントの応用:IODを中心に
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