無歯顎補綴の治療戦略_NoLink
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i図10i,j 調整途中のコピーデンチャーでは,前歯部の被蓋関係に大きな左右差が認められ,顎位のズレが確認できるが,印象用コピーデンチャーの段階ではそのズレは補正されており,上顎に対して下顎が回転していないことがわかる.jlk図10k,l 総義歯を後方から確認する.咬合平面のゆがみや翼突下顎ヒダからレトロモラーパッドとの連続性を確認することで,上顎に対して下顎の偏位を想像することができる.印象採得時には,これらのズレは補正されていた.図10e図10f図10e,f 約2か月間,咬合平面の修正を含めた咬合調整と粘膜調整を続けた結果,患者はある程度のものが食べられるようになり,主訴の改善がみられた.まだ平面の修正は完了していないが,タッピングポイントの安定が得られたため,この顎位で最終義歯の製作に移行することとした.57生体と補綴装置との調和:デンチャースペース~コピーデンチャー図10g図10h図10g,h 本来であればこのコピーデンチャーを預かり,模型を製作,マウントを行うことが理想的であるが,もし即日の対応が困難な場合は,再度現状でコピーデンチャーを製作することもある.新しく製作した印象用コピーデンチャーで上下顎一塊のデンチャースペースを採得する.

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