必ず上達抜歯手技_増補新版_Nolink
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56上顎埋伏智歯の浸潤麻酔.上顎結節の上方で,上顎神経後上歯槽枝をブロックする.89切開線の位置.口蓋側へ向かっても切開を歯槽部にとどめておけば,大口蓋神経や動静脈を損傷する心配はない.●7●6●5●9●8●10▶遠心切開は,第二大臼歯の遠心口蓋隅角から始まって,45°口蓋側へ向かう89.▶第二大臼歯頬側から遠心,口蓋へと回り込むように剥離する.第二大臼歯遠心の歯肉は厚くて硬く,剥離・挙上が少し難しい.遠心切開からも剥離を進めて第二大臼歯遠心のもっとも付着が強いところで,頬側からの剥離と口蓋側からの剥離を連続させる10.頬側から刺入歯冠側から刺入歯肉剥離.頬側から口蓋側まで回り込んで剥離し,歯肉骨膜弁を挙上する.るために,切開線は,第二大臼歯の遠心口蓋隅角から始まって45°口蓋側へ向かう,ちょうど頬側歯肉の縦切開線を,対角線のように口蓋側に延長した形になる.この部分の切開で,大口蓋動静脈や神経を損傷することはないので安心してよい.咬合面側からみたときの注射位置.上顎結節の後方で,第二大臼歯の頬側咬頭の延長線上(第二大臼歯の真後ろではなくやや頬側)で,上方に向かって30G針の3分の2程度を刺入する.9595上顎埋伏智歯の抜歯第10章第二大臼歯の遠心真後ろに切開を加えない理由▶第二大臼歯の遠心の頬舌的中央に切開線を設定してきちんと切開するためには,メスの刃をNo.15からNo.12に交換する必要がある.またこの部分は,縫合はできるが,抜糸時にはハサミが入りにくく抜糸しにくい.さらに術野の広さとして不十分になりやすい.この3点を解決す上顎埋伏歯の抜歯の手順①切開▶縦切開は,縫合のしやすさと術野の大きさを考えて第二大臼歯近心隅角部に設定8し,フラップの基部が広くなるように前方に向かう.②剥離▶縦切開部分は,歯肉頬移行部側から歯頚部側へ剥離を進める(歯頚部より歯肉頬移行部側のほうが,骨と骨膜の付着が緩く,骨膜下でのフラップ挙上が容易であるため)である.

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