必ず上達抜歯手技_増補新版_Nolink
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○×●19●20●21acbdc, d:鉗子を閉じると,鉗子の嘴部の形態により智歯のみに楔の作用がはたらいて智歯が容易に脱臼,挺出する.このあと通常の鉗子で把持して取りだす.21脱臼鉗子の使い方(上顎).a:萌出した智歯で根尖の近心側への湾曲がない場合には,脱臼鉗子が有効.b:第二大臼歯と智歯の歯間に鉗子の先端を適合させる.▶残存歯質量によっては鉗子がはずれやすい方向がある19.▶図の×のついた矢印の方向に倒すと鉗子がはずれやすいので注意!▶鉗子がはずれにくい方向へ大きく,はずれやすい方向へは小さく倒す.る.第二大臼歯には力は加わらない.鉗子を急に強く閉じると一気に強い力がかかって智歯の歯根が破折するおそれがあるので,鉗子を徐々に閉じたり開いたりを繰り返しながら脱臼させる.こちら向きに大きく倒す.反対向きははずれやすい.○×残存歯量が少ないので把持しにくく,はずれやすい単根歯ではねじる3434第4章⑥頬舌的に倒す場合,歯質の崩壊の状態,残存歯質量によって鉗子がはずれやすい方向があるので注意する⑦単根歯はねじりを加えると効果的▶ねじりを加えることは非常に有効である20.矯正治療上の必要性から,低位唇側転位の犬歯の便宜抜去をすることが稀にあるが,低位転位歯なので頬舌的に大きく動かすことは難しい.そういう場合は,頬舌的に少し動揺させたあとにねじりを加えると,「きゅっ」という感じで歯が回転しながら抜歯窩から出てくる感触がある.⑧脱臼鉗子の使い方▶「脱臼鉗子」(分離鉗子ともいう)(29ページの2参照)は,歯根湾曲のない,垂直方向あるいは遠心方向に萌出した智歯の抜歯に用いる.鉗子の先端が楔形になっており,第二大臼歯と智歯の間の歯間部に適合させて鉗子の嘴部を閉じると,遠心の智歯のみに楔の力がはたらいて脱臼す

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