baba図24 アンジオジェネシスと創傷治癒効果を期待して、生理活性物質はアメロジェニンを選択した(a)。根面被覆の範囲に応じた上皮下結合組織のトリミングを行い、試適した(b)。Ⅱ 成人矯正治療における歯肉退縮への新たな根面被覆を用いたアプローチ法/山道研介図26 術後4日目の歯周組織正面観。創傷部のネクローシスは認められず安定している(a)。術後13日の抜糸時では、縫合部の拘縮はなく、移植片は生着している(b)。図27 術後180日経過観察時の₃歯周組織正面観。移植部位は両隣在歯周組織と比較して歯肉の厚さの増加と新生血管が顕著に認められる。図25 吸収性糸にて歯冠側に移植片の固定を行ったのち、5-0ナイロンにてCoronary Advanced Flap(CAF)を閉創した。別冊the Quintessence PRD YEARBOOK 2023163163創傷治癒の進行を確認した。術後13日で抜糸を行ったが、縫合部の拘縮は認められなかった(図26b)。アメロジェニンの効果により、移植部位の血管新生が亢進していることが認められる。 図27は術後180日経過観察時の₃歯周組織正面観を示す。Maynerd Type4からType3へとフェノタイプモディフィケーションが達成された。移植部位における上皮の毛細血管量が隣在歯周組織と比較して増加していることから、CTGとアメロジェニンの併用により、血管新生が促進され、血液供給量が改善された。考察 歯肉退縮が生じる原因として、次のようなものが挙げられる。①慢性歯周炎の進行によるアタッチメントロス②不適切なブラッシング圧③加齢
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