妊婦,赤ちゃん,子どもの診かたがわかる本
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2)気になる習癖(指しゃぶり,口唇閉鎖不 指しゃぶり(吸指)は,年齢が高くなると自然に軽減,消失するものですが,なかには継続してしまう場合があります.子どもの成長発達に応じた見方が必要ですが,歯列や咬合にも影響がでて,舌癖も出現してしまう場合はどうしても積極的な介入が必要Chapter  子どもの成長にともない出現する問題にどう対応するか 乳歯列完成期から2③癒合歯 癒合歯は2つ以上の歯が癒合したもので,頻度としては乳歯のほうが多く,図5のように歯冠,歯根の結合形態によって癒着歯,癒合歯(狭義の癒合歯),双生歯と分類されます2.双生歯のように歯冠の形態が独特で清掃しにくい場合は,それも踏まえてしっかりと口腔衛生指導を行う必要があります(図6).となります(図7). まず,話が理解できるようになった子ども自身にも吸わないように意識(がまん)する時間を多くするよう促し,カレンダーなどを用いて指を吸わなかった(保護者がそう判断したでもOK)日は,好きなシールを貼ってもらうなどの提案も一案です(図8).また指しゃぶりだけでなく,口唇閉鎖不全もともなう場合は,紙風船や笛(図9)などを用いたトレーニングを遊びの延長のように習慣的に多く行わせることも良く,大切なことは親子で意識することです. 近年はアレルギー性鼻炎,花粉症発症の低年齢化もあり,歯科健診時や外来でもアレルギーの有無や口呼吸の有無を確認する必要があります.保護者が気づいていない場合もあるので,子どもに口呼吸がみられた場合はそれを伝え,あまりにもひどい時は耳鼻科への受診を促す必要もあるでしょう.なかに癒着歯癒合歯双生歯109図5 口腔内で見える癒合形態と,歯根の形態によって分類される.エックス線写真を撮影し,後継永久歯との関係を確認する必要もある.(参考文献2より)図6a図6b図6a,b 上顎乳前歯が左右とも癒合歯で,結合部がみがきにくいためシーラントを施していた.エックス線写真により,後継永久前歯も左右ともに癒合歯であることは説明できていた.現在,矯正治療中.全,口呼吸)癒合歯

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