妊婦,赤ちゃん,子どもの診かたがわかる本
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能能生後5〜7か月頃の口腔内(図12a)獲得する機能と適した食形態(図12b)[獲得する機能]■口唇から食べ物を取り込む(捕食)■舌で喉の方へ送る(移送)■口を閉じて飲み込む(成熟嚥下)* 食事介助のポイント:スプーンを下口唇に置き,のお誕生日ごろには上下8本の乳切歯が生え揃います.また,乳臼歯が生える準備として,奥の歯ぐきが広がり,膨らみがでてきます.これらのことにより,前歯を使って食べ物を咬みとったり,奥の歯ぐきで噛みつぶしたりすることができるようになります(図14b).歯ぐきでつぶせる程度の硬さの食べ物を歯ぐきに乗せやすい形態にして与えて,舌と顎の協調した動きを育てることが大切です.6)手づかみ食べはやらせた方がいいか 離乳後期になって,形がしっかりした食べ物の処理ができるようになったら,自食のための準備として手づかみで食べやすい食べ物を用意しましょう.手づかみ食べは,手と口の協調動作を育むためにも,自分で食べる意欲を育てるためにも重要です.また,少し大きめの食べ物を手づかみで口に持っていき,上下の前歯で咬みとる食べ方を覚えることで,自分に合った一口量を徐々に覚えていきます.Part 2 出産後の歯科治療と歯科からできるサポート上唇で食べ物を取り込むのを待つ.4)離乳中期の口腔の発育および獲得する機 生後7〜9か月頃の口腔内を図13aに示します.この時期には上下顎の乳中切歯が萌出することで,口を閉じると口唇と舌が離れて,別々に動きやすくなります.また,乳歯の萌出とともに上下顎の歯槽骨も発育するため,口の中の容積が広がって,舌が上下に動きやすくなります.これらのことにより,軟らかな形のある食べ物を舌で口蓋に押しつけてつぶすという処理の仕方を覚えます(図13b).この時期の介助のポイントとしては,舌で食べ物の大きさや硬さを感知しやすいように,舌の前方部で食べ物を取り込ませることが大切です.5)離乳後期の口腔の発育および獲得する機 生後9〜11か月頃の口腔内を図14aに示します.この時期には上下顎の乳側切歯が生えてきて,1歳[適した食形態]■そのまま飲み込めるペースト状の食べ物  (米飯,野菜,魚,豆腐などすべてなめらかなぺースト状にする.ドロドロ状→ベタベタ状)82図12 a:下顎の成長により舌が歯槽弓の中に収まりやすくなり,下顎の乳中切歯が萌出すると舌の突出をとめやすくなる.b:離乳初期には,ペースト状の食べ物を口唇から取り込み,舌で喉のほうに送り,口を閉じて嚥下することを覚える. 離乳初期

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