①図2-19x①、② Deprograming前の下顎安静位(①)は下顎の正中が上顎に対して右側に位置していたが、Deprogramming後の下顎安静位(②)は、正中が一致する方向に変化した。①図2-19z①、② 模型の印象採得は、基準点となる齦頬移行部まで確認できるようにする。石膏模型は気泡を取り除き、付着の石膏を2回の硬化に分けるなどして、膨張への配慮を行う。②②②①図2-19y①、② この位置では顔貌の正中にオトガイ部も一致してくる。この顎位にてスタビライゼーション型スプリントを2週間装着し(①)、再現性があり安定していることを確認する。その後、この位置でシリコーンバイトを用いてCRとして咬合採得した(②)。343499第2章 中心位の考えかたと臨床的応用考察 本症例は、成長期からの何らかの環境的因子によって、MIPの位置が下顎右側へ立体的に偏位したと思われる。右側顎関節下顎頭も右側にズレており、関節円板は内側前方に転位していたと考えられる。 Deprogramming後、正中が一致する方向に下顎安静位が変動したが、早期接触が 付近に存在し、₃には骨隆起、失活、脱離、挺出が生じた。₃₄には咬耗という形で現れたと考えられる。CRからMIPへとセントリックスライドを受け止める側で、かつ滑走初期で咬合干渉する臼歯部にも負荷が生じるが、過去に左側下顎欠損部や₆₅に負荷がかかるも、抜歯に至ったりわずかに低位に補綴装置が製作されたことで、順に受け止める負荷が移動していった。現在では₇にその負荷が集中し、清掃しづらいことも含め歯周組織に問題が生じていると考察できる。
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