93図2-19b 口腔内正面観。撮影ポイント:MIPにてしっかり噛めていること。咬合平面を確認したいため、瞳孔線に対して平行に撮影する。確認ポイント:上顎の正中に対して下顎の正中は右側に偏位している。図2-19d 右側側方面観。撮影ポイント:咬合平面を立体的に確認したいため、犬歯関係と臼歯関係がわかるように撮影する。確認ポイント:大きな咬合平面の乱れは認めないものの、₆₅のメタルクラウンは低位に製作されており、対合歯である₆₅にわずかな挺出を認める。また、₆₅も歯頸線をみるとわずかに歯槽骨ごと挺出している可能性がある。この2本の歯はオクルーザルレジストレーションストリップスにて対合歯と咬合しておらず、痛みからか低位のクラウンが製作された可能性が高い。₇のみが右側の実際のバーティカルストップとなっており、後述する歯周疾患とともに違和感の原因として疑われた。図2-19c 下顎安静位での写真。撮影ポイント:診断をしたいため、この段階ではDeprogrammingを行わずに、軽く開口し下顎張反射の均衡がとれる状態で撮影する。確認ポイント:初診時の下顎安静位では、下顎の正中は上顎正中に対して右側に偏位している(下顎黄矢印)。左側の咬合平面、歯頸線ともに理想のポジション(白曲線)と比較すると、左下がり。₁₂はセメント‐エナメル境(CEJ)が歯肉縁下に存在し(上顎黄矢印)、₃はレジン前装冠が装着されていたがクラウンごと挺出しており、対合歯である₃₄には顕著な咬耗を認める(白矢印)。また、₃根尖相当部歯槽骨に骨隆起を認める(赤矢印)。₄₅₆は対合歯がないためか、歯槽骨ごと挺出している。図2-19e 左側側方面観。撮影ポイント:右側側方面観と同様。確認ポイント:₃₄₅₆は対合歯の咬耗や欠損にともない挺出している。₃を数回修復し直していること、根尖相当部の骨隆起や対合歯の咬耗を考慮すると、何らかの力学的負荷が生じていた可能性が高い。第2章 中心位の考えかたと臨床的応用
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