b図9b 実際にトレフィンバーにて骨を削除している.a図91〜5 回転切削器具(トレフィンバー)による撤去法.図9a2 インプラント径よりも少し大きいトレフィンバーを選択する.図9a3 インプラント先端近くまで骨を削除する.12PART 1 インプラントの撤去の基本Pointa1a2インプラント体撤去の手技は,基本的には残根歯の抜歯と同じである.通常,残根歯の抜歯を行なう場合は,ヘーベル(エレベーター)を使用するために周囲にグルーブを付与したり,鉗子が使用できるように周囲骨を削去したりして対応する.インプラント体の撤去も同じであり,周囲骨を削除し,梃子作用で撤去する.波切削器具を使用する.(1)回転切削器具●代表的な回転切削器具であるトレフィンバーは,インプラント直径よりわずかに大きいバーを使用することで削除量を最小限にすることが可能である(図9).しかしながら,削除量が少ないので,ヘーベルなどを挿入するスペースが狭く,梃子作用で撤去するためには十分な深さまで削除することが重要であるが,深部まで十分な注水ができにくく,火傷の原因となるので細心の注意が必要である.●フィッシャーバー・ラウンドバー,ダイヤモンドバーなどの回転切削器具は,歯科医院では常備されていて,いつでも使用可能であるが,骨削除量が多くなるのが欠点である(図10).(2)超音波切削器具●超音波切削器具では,撤去するインプラントの形状や状態によって,チップの使い分けが必要である.●欠点は,ラウンドバーやフィッシャーバー,ダイヤモンドバーと同様に,削除量が多くなってしまう点である.利点は,骨へのダメージや神経などの軟組織損傷のリスクが回転切削器具に比べて少なく,ブレードタイプインプラントや下顎管に近いインプラントなどの撤去に有用な点である(図11,12).インプラント体撤去の手技は残根歯の抜歯と同じa3a4a5インプラント周囲骨を削除して撤去する場合 動揺していないがインプラント周囲炎やインプラント体破折などで撤去が必要な場合,アバットメントスクリュー破折でスクリューが撤去できない場合,ブレードタイプのインプラントなどで動揺しているが周囲骨と干渉していて撤去できない場合などでは,インプラント周囲骨を削除して撤去しなければならない.①インプラント周囲の骨削除●インプラント周囲の骨削除は,回転切削器具と超音
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