新版 1からはじめるインプラント治療 完全マニュアル
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108第8章 二次手術と印象採得今ならこうする! こうも使える! 口腔内スキャナによる光学印象採得では、これまでの弾性印象材を用いた印象法で必要だった個人トレー、印象用コーピング、印象材、技工用コンポーネントなどが不要になる。また、印象材や石膏模型での寸法変化もなく、印象採得時の患者の不快感を軽減できることも優位点として挙げられる5、6)。 現状では1歯ないし2歯程度の上部構造製作において寸法精度や適合性が容認されるものの、多数歯欠損でのスクリュー固定や審美領域におけるエマージェンスプロファイルの獲得など、いくつかの問題点も指摘されている7)。 モデルレスの印象とした場合、3Dプリンタによるレジン系模型の収縮からコンタクトポイントや適合精度の確認については簡便になったとは言えず、実際の口腔内での調整が不可欠である一方、埋入手術直後にもインプラントにストレスをかけることなく印象・咬合採得が可能である。口腔内スキャナは今後もさらなる進化が期待される。 以下に、口腔内スキャナを用いてインプラント補綴を行った症例を供覧する。口腔内スキャナを用いた印象採得図8-24a、b 術前のSTLデータから最終補綴形態を想定し、CTのDICOMデータと重ね合わせてインプラント埋入シミュレーションを行った。図8-23a、b 患者は60代の女性。₁ならびに左側下顎臼歯部の欠損を主訴に2019年8月に来院した。パノラマX線および前歯部のCT画像を示す。左側下顎臼歯部のインプラント治療終了後、同年12月に₁部のインプラント治療を計画した。当時の治療を振り返って図8-25a~c 担当歯科技工士とともにサージカルガイドを製作し、慎重にインプラント埋入を終えた。aababcb

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