ゼロボーンロスコンセプト
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スクリュー固定式補綴装置273ムワークは前装用陶材の層により軟組織との接触が妨げられ、「ジルコニアなきジルコニア」という補綴装置になる。ジルコニアと軟組織の接触がまったくない、もしくは最小限のものとなる。つまりインプラント周囲組織と接触する大部分は前装用陶材であり、前装用陶材はジルコニアよりも生体適合性が低く、このような補綴装置を装着した患者はジルコニアによるすべての利点を得ることができない。前装を応用する理由 ジルコニア表面に長石系セラミックスを前装する補綴装置に適応することは、さらに至難の業である。特に、チタンベースでクラウンを支持するハイブリッド型セメント/スクリュー固定式補綴装置では困難である。スクリュー固定式補綴装置の製作手順としてよく行われるのは、クラウンの先端部分までを含むフレームワーク全体への前装用陶材の応用である。この方法で補綴装置を製作した場合、歯肉縁下のインプラント周囲組織が前装用陶材と接触することになり、ジルコニアと前装の2つの領域の違いを考慮していない補綴装置になる(図19-9)。前述のような従来の手順に基づくと、ジルコニアフレーabc図19-8 (a)4.5mmチタンベースにてジルコニアフレームワークの形態となるワックスアップを行った(Laser-Lokチタンベースアバットメント、BioHorizons)。(b)形態をスキャンし、ジルコニアのミリングを行った。(c)長石系ポーセレン(VITA VM9、Vita)は、補綴装置が歯肉から立ち上がるポイントからのみに付与され、インプラント周囲組織とは接触しない。セラミックスジルコニアチタンベース図19-9 (a、b)「ジルコニアなきジルコニア」コンセプトの図説。歯肉縁下部分に前装用陶材があり、インプラント周囲組織に直接ジルコニアが接触していない。図19-12も参照。ab

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