歯科医療従事者のための感染制御入門
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 医科や歯科を問わず医療従事者が病原体に曝露し、重大な疾患に感染してしまうという事例が後を絶ちません。まずは自身が安全に治療や処置をできる環境でなければ、本当に良い医療を提供することはできないと思います。 患者の血液や湿性生体物質から自らを守るために、個人防護具(Personal Protective Equipment:PPE)の使用を徹底しなければなりません25。CDCは、1996年に発表した病院感染における隔離予防策のガイドラインにおいて、「病原体と宿主因子はコントロールが困難であるので、微生物移動の阻止は感染経路に向けられるべきである」 としています26。個人防護具は適切に使用することで感染経路を遮断するための有効な手段となります。飛沫・飛散発生が想定される処置(a)や、使用済み器材の用手洗浄時(b)には個人防護具を使用すべきです。図5-1 個人防護具を使用すべき状況参考文献25. 一般社団法人職業感染制御研究会. 個人用防護具PPEとは. https://www.safety.jrgoicp.org/ppe-2-what.html(2021年4月2日アクセス)26. Garner JS. Guideline for isolation precautions in hospitals. The Hospital Infection Control Practices Advisory Committee. Infect Control Hosp Epidemiol 1996;17(1):53-80.ab5-1-1 個人防護具(PPE)使用の目的5-1個人防護具(PPE)の適切な使用68

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