歯科医療従事者のための感染制御入門
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 2020年はこれまでの歴史で人類がもっともマスクを着用した一年だったと言っても過言ではありません。マスクは「人に移さないためのもの」という認識が主で、「防護性」については曖昧でした。しかし、新型コロナの世界的流行によるマスクの使用増加によって、その有効性が顕著に表れています。最近「ユニバーサルマスキング」という言葉をよく耳にしますが、これは医療従事者、患者を問わず、すべての人のマスクの常用を指すものです。CDCもマスクの効果を認め着用を推奨しています。 マスクの効果を示す実例として、米国ミズーリ州のヘアサロンで、新型コロナの症状を発症した2名のスタッフと139名の顧客が濃厚接触していたものの、全顧客に発症者が出なかったという報告があります。この店舗では市の条例と店舗の方針で接客時にはスタッフと顧客のすべてにマスクの着用を定めていました。1-2-5 ユニバーサルマスキング図1-8 新型コロナの感染リスク9WITHOUTマスクWITHOUTマスクWITHOUTマスクWITHマスクWITHマスクWITHマスク新型コロナ陽性者健常者感染リスク感染リスク感染リスクHIGHLOWLOWEST新型コロナの感染リスクは、マスクの着用によって低下します。18

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