前述したように、デジタル印象採得時の姿勢はIOSを用いる上で意外と重要であり、前項で示した持ちかたと強く影響しあっている。 場合によって術者は、患者の状況を鑑みて座位と立位を併用する場合もあり得る。術者座位は、仰臥位の患者に対して右側や頭頂側に術者が位置し、ペングリップやパームグリップにて印象採得を行う(図2-23、24)。また、患者が座位の場合は、術者がパームグリップもしくはペングリップで患者の正面に近い位置で印象採得を行う(図2-25)。術者立位の場合は患者が座位となり、やはり術者が患者の正面に近い場所へ位置する(図2-26)。 術者は患者の状況をよく見極め、自らに負担の少ない姿勢を保つとともにデジタル印象採得が行いやすいIOSの把持法をケースバイケースで使い分けることが大切といえる。29図2-23 術者座位で患者仰臥位の時にペングリップでIOSを把持し、9時の位置にてデジタル印象採得を行う状態を示す。図2-25 術者座位で患者座位の時にペングリップでIOSを把持し、7時の位置にてデジタル印象採得を行う状態を示す。図2-24 術者座位で患者仰臥位の時にパームグリップの逆手でIOSを把持し、12時の位置にてデジタル印象採得を行う状態を示す。図2-26 術者立位で患者座位の時にペングリップでIOSを把持し、7時の位置にてデジタル印象採得を行う状態を示す。IOSを臨床で使う前にデジタル印象採得時の姿勢【IOSの持ちかたとデジタル印象採得時の姿勢の関係】
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