Stage 1&2(初級編) adbecfghijStage 3 to 5(中級編)Stage 6&7(上級編)Stage 8&9(リカバリー編)Stage 10(これからの矯正治療編)患者:28歳,女性初診:2010年10月主訴:上下の歯のデコボコを治したい.症例概要:上下顎叢生を主訴に来院した患者である.治療上の要望として見えない装置で治療期間をできるだけ短くしてほしいとのことだった.口腔内所見(図4-50-1a~f)では,上下顎ともに前歯部に限局した叢生があり,アーチレングスディスクレパンシーは上顎-8mm,下顎-7mmで,臼歯部咬合関係は左右側ともにアングルⅠ級の矯正学的正常咬合であった.顔貌(図4-50-1g~j)においては,正面観でオトガイがやや左側偏位していたが,顎偏位については気になっていないとのことであった.側貌のプロファイルはストレートタイプで,著変は見当たらなかった.パノラマエックス線写真(図4-50-2)からは歯数に異常はなく,萌出方向は上下顎前歯部を中心にばらつきがみられた.側方セファロ(図4-50-3,計測値は図4-50-12cを参照)にてSNA:79.7°,SNB76.6°,ANB:3.1°で骨格性Ⅰ級,FMA:27.0°でフェイシャルタイプはノーマル,U1 to SN:116.1°で上顎中切歯の唇側傾斜がみられた. 本症例は上下顎ともに前歯部に中程度の叢生があり,臼歯部咬合関係は良好で骨格性の問題がないことから,小臼歯4本の抜歯矯正を治療方針とした.なお,治療期間短縮のため,上下顎前歯部にコルチコトミーを行う促進矯正法を適用した.診断名:骨格性Ⅰ級,アングルⅠ級の上下顎叢生.治療方針:44,44抜歯スペースを利用した上下顎叢生の改善.379Stage7上級編7-3促進矯正Case 50図4-50-1a~j 初診時の口腔内および顔貌写真.Case 50上下顎叢生に対する促進矯正
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