開業地を選ぶ際に,必ずチェックしておきたい項目をまとめてみました. 筆者(田中)はテナント開業しかしたことがありませんので,土地から購入する開業の場合と少し違ってくると思います.テナント開業の際の筆者(田中)の鉄則は,「駅と自分の歯科医院との間に,他の人がもう歯科医院を作ることができない!」になります. 開業というのは,ただでさえいろいろなストレスが加わります.開業後に,自分よりも駅に近いところに誰かが新しく開業すれば,患者数が減ることは間違いありません.そこでストレスを感じながら診療をするのは,相当なストレスになります. もちろん,「実家の土地で開業するんです!」それは,おおいに結構だと思います.なぜなら,そこから駅に近い土地へステップアップもできるからです.しかし,テナント開業でそこそこお金をかけて開業し,軌道に乗る前に誰かに駅近で開業されると結構な痛手となるわけです. 分院展開する場合は,これが鉄則になります.なぜなら,人で勝負することが難しくなり,場所で勝■チェック項目□ 今後,どのような人口動態をたどるのか?□ 開発計画はあるのか?□ 郊外型か都心型か?□ 1階か2階以上か?□ 1番重要なのは,人の流れ・車の流れ(駅近でも南口・北口で人の流れは違う.バイパス沿い? 駐車場へ入りやすい?)□ 天高は240cm以上か? 20cm床上げできるか?□ ビルオーナーの年齢は?□ 電気容量は?(歯科技工室を作るなら?)□ ユニットやエックス線機器,マイクロスコープを置くに耐えうる床や天井か?□ 広さは共有スペース込みなのか?(エレベーターホールなど)負をせざるを得ないからです.皆さん,分院長が突然退職になった場合,何を想像しますか? そう! 人での勝負はできないのです. 郊外で開業していてそこそこうまくいっており,次の展開として都会で開業をしようと場所を探し,そこそこの場所が見つかったが,土地勘がないのでコンサルタントのオススメで開業をした.はじめは良かったが,歯科医院が近くで他に開業した後から患者数が減ってきた.なんとかしようと試行錯誤したが,郊外の本院も売り上げが落ちてきたので都内の分院を手放した.このような話を聞いたことないですか? そう,「分院あるある」です.最近では,そのような医院を安く購入して開業するという先生も増えてきています. 一度自分が良いと思ってしまった開業地は,他人に「ここは止めたほうが良いのでは?」と助言を受けても,なぜか素直に受け入れられないことが多いようです.実際に,100点満点の場所はないかもしれませんが,それに近い開業地が見つかるまで根気強く待ってみましょう.38Check!開業地の選び方
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