l図30g~l 術後12年の状態。良好に経過している。リベースはしていない。コーヌスクローネの強固な維持力により義歯が動かないため、顎堤の吸収も最小限に抑えられており、フラビーガムにはなっていない。咬合面の摩耗状態を見ると、非常に強力な力がかかっているのがわかる。この症例はコーヌスクローネが最良の選択肢であったと考える。強力な咬合力に対し支台歯の連結が最大の防御法であるというのは前述したとおりである。コーヌスクローネは二次固定効果があり、外冠を装着すると、外冠により内冠の歯はそれぞれが固定され、連結固定と同様な効果を期待できる。gacehbdfijk図30a~d 初診時。患者は「義歯がすぐに外れてしまう」との主訴で来院した。前方で噛むとすぐに外れるということであったが、前歯で噛むと後方から外れるのが前方遊離端義歯の特徴である。図30e、f フルクラムラインを中心とした後方から回転する離脱力に対抗するよう、最後方歯へ強固な維持を求めるため、ガイドプレーンを有するコーヌス義歯とした。余分な維持装置(クラスプアーム等)がないので非常にシンプルな形態にできる。75■ 前方遊離端欠損症例(Chapter 6の症例8を参照)Chapter 4 欠損の診断と分類および義歯床設計
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