DXが加速する口腔内スキャナー完全ガイド 2022/2023
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巻頭特集Part2 ◆ ◆ ◆33 現在のインプラント治療ではCBCTによる画像診断が定着しつつある.さらにそのCTデータと診断用ワックスアップのサーフェイススキャンデータを重ね合わせ,埋入位置を診断するプランニングソフトウェアが広く用いられている1.このとき模型ではなく,IOSのスキャンデータ上にデジタルワックスアップを行うことでさまざまなメリットが生まれる(表1).とくに,オンラインでデータでのやり取りができることは手術までの期間の大幅な短縮につながる.さらにインプラント埋入位置の決定後はIOSのデータ上でサージカルガイドをデザインし,プリントアウトすることで,模型をまったく使わないガイデッドサージェリーが可能である(図1〜6).大阪大学大学院 招聘教員医療法人山羽歯科医院とうかえでの道デンタルクリニック(大阪府)院長公益社団法人日本口腔インプラント学会 認定専門医,山羽 徹 (Yamaba,Toru)1.口腔内スキャナーによるインプラント治療の現在の到達点 急速に普及している口腔内スキャナー(Intra Oral Scanner,以下IOS)による光学印象法は,従来の印象採得と置き換えるだけの十分な正確性を有するばかりでなく,そのデジタルデータをさまざまなソフトウェアで用いることでアナログデータでは不可能であったことを実現できるようになっている.とくに規格性をもつインプラント治療においては検査・診断のステージから最終補綴,メインテナンスまで幅広い応用が可能であり,高まる患者のニーズに対応できるポテンシャルをもっている.ここではインプラント治療の各ステージにおけるIOSの活用法について紹介し,現在の到達点を探ってみたい. 診断と治療計画立案に活用表1 デジタルワックスアップのメリット咬合器付着や模型の加工などの前準備が不要で,歯科技工士は受信後すぐに作業できる咬合採得を同時に行うため,プランニング画面上に咬合状態の対合歯を表示できるスキャンやデジタルワックスアップはデータで送信されるため,模型を送る日数が不要になる作業途中での確認をオンラインで行うことができるワックスアップを複製でき,修正後でも元に戻すことができる巻頭特集Part2各症例における口腔内スキャナーの活用方法(インプラント編)インプラント治療における口腔内スキャナーの活用方法

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