これで解決! 矯正トラブル
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図12 最後臼歯遠心の軟組織損傷図14 バンパースリーブ図13 歯科矯正用粘膜保護材2613市販の専用ワックス。12アーチワイヤーの遠心端が飛び出していたため頬粘膜に潰瘍が生じた。14市販のバンパースリーブ。クスなど)を渡しておく。 使用方法は、ワックスを小豆大とって、指で柔らくし、できれば装置を乾燥させ、損傷部位に接すると思われる装置に貼りつける。維持力はそれほど高くないので、食事では外すように指示する。03.1. ブラケット、チューブやワイヤー矯正装置による軟組織損傷 よく起こる矯正装置による軟組織損傷としては、最後臼歯のチューブから突出したアーチワイヤーの遠心断端による頬粘膜への刺入がある(図12)。痛みをともなうもので、それを防ぐためにはアーチワイヤーの遠心断端を2~3mm伸ばし、歯肉側または舌側にシンチバックすることである。そして、最後に患者に口を動かしてもらい引っかかりがないか、また術者も指で触って引っかかりがないか確認をしなければならない。この処置を行うことによって、アーチワイヤーの回転、不必要な歯列の前方拡大を防ぎ、最後臼歯のチューブの脱落による誤飲・誤嚥を防ぐことができる。 とくに成人では、ブラケット、チューブやアーチワイヤーの初めての装着によって、唇頬粘膜の損傷が生じることがよくあるが、刺激物を取り除かなければ傷を治すことはできない。そのため、事前に患者に説明し、口腔粘膜への物理的刺激を緩和するために保護材(図13)(専用ワックス、ホワイトユーティリティーワッ

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